先日のエントリー「docomo版iPadの限界」は多数の方にアクセス頂き、また貴重なコメントも頂戴しありがとうございました。
ご指摘受けた中で前回のエントリーが誤りを含んでいたことがわかりましたので、新たに判ったこととあわせdocomo版iPadの限界の続編として新しくエントリーを書きました。
iPhone 3GSと800MHz
まず、焦点のこちらからですが、iPhone 3GSに搭載されているチップ「Infineon PMB6952」は、UMTSのband I~VIに対応しており、ハードウェア的にはNTTdocomoの800MHz帯にも対応出来ています。
また、iPhone 3GS[A1303]発売に向けてAppleが技適申請を行った内容を確認すると、次の内容で承認を得ていることがわかります。※第2条11号というのは、電波法第三章の二で定める証明規則(特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則)で定める要件のことです。
- Apple Inc. 第2条第11号の3に規定する特定無線設備 A1303 202XY09564991 平成21年6月11日 FDD VI: 830.0MHz~840 MHz
- Apple Inc. 第2条第11号の7に規定する特定無線設備 A1303 202MW09564991 平成21年6月11日 FDD VI: 830.0MHz~840 MHz
- Apple Inc. 第2条第19号に規定する特定無線設備 A1303 202WW095649911 平成21年6月11日
- Apple Inc. 第2条第19号に規定する特定無線設備 A1303 202WW095649912 平成21年6月11日
- Apple Inc. 第2条第19号に規定する特定無線設備 A1303 202WW095649913 平成21年6月11日 ※技適非表示
- Apple Inc. 第2条第19号の2に規定する特定無線設備 A1303 202GZ095649912 平成21年6月11日
- Apple Inc. 第2条第19号の2に規定する特定無線設備 A1303 202GZ095649913 平成21年6月11日 ※技適非表示
このうち、800MHz帯に関係するのが1と2になります。この2つは、海外製端末がdocomoの800MHz帯に対応する場合に承認を受けている項目であり、iPhone 3G[A1241]が認証を受けていなかった項目でもあります。
つまり、日本国内販売のiPhone 3GSで800MHz帯を利用することについては、ハードウェア的にも法的にも問題がなさそうであることがわかります。ですから、前回のエントリーの「電波」で記述した内容は誤りということになります。ブログ読者の皆様と、RTなどにより抜粋文章のみで誤解を与えてしまった皆様には大変申し訳なく思っています。
※法的部分について、まったく問題なくクリアであるという確認ができませんでした。また当然ですが当ブログでは法律的な裏付けについてはアドバイスする資格がなく問題が無いということを保証するものではありません。
もう一度事実をまとめておくと、
- iPhone 3GSはUMTS800(docomoの800MHz帯)にハードウェア的に対応している
- 日本国内でAppleまたはソフトバンクモバイルから販売されるiPhone 3GSは、UMTS800(docomoの800MHz帯)の国内利用に対する技適認証を受けている
ということになります。
ただ問題は、Appleやソフトバンクを通じて販売されている正規品は、SIMロックされているためにこの周波数帯が扱えないことです。さらにいえば、これを回避するにはJailBreak(JB)が必要となり、JBをした時点でAppleやソフトバンクのサポートを受けることができなくなると言う点です。またAppleのページでも、なぜかUMTS/HSDPA (850、1900、2100 MHz)という書き方をしており、UMTS800対応は公式ではない可能性が高いと言えます。もちろん国外で販売されるiPhone 3GSについては技適を受けていませんので電波法に抵触する可能性がありそうです。
これとは別に、同様に電波を利用する側となるNTTドコモ(docomo)側の上記利用形態についての見解がよくわかりませんので、いずれにしろこちらもいつ何時法外な請求や窓口応対、処分をされても何一つ文句は言えない状況であると考えます。
もちろん、知識あるものが完全に個人の責任において行うことについては何もコメントできませんが、一般の方に対して(故障時の修理交換や、通話保障などを含めて)何ら問題なく利用可能であるというのは明らかに問題があるかと思います。
1.7GHz帯対応
また、これは「docomoからiPhoneが出ない理由」で指摘を受けていた内容ですが、前回エントリーでは抜けていました。実は800MHzではなく1.7GHz帯(1864.9MHz~1879.9MHz)の方も影響があるということです。
docomoは3Gサービスにおいて、前章の800Mhz帯、2GHz帯に加え、東名阪地域(NTTドコモ(中央)、ドコモ東海、ドコモ関西)では1.7GHz帯を利用することでFOMA 2GHz帯の混雑を避けるために利用しているという実態があります。
上で見た通り、iPhone 3GSはこの1.7GHz帯について技適認証を受けていないため、仮に受信等が行えたとしても電波法に引っかかる可能性があります。また、この1.7GHz帯が利用できないことによる通常利用への影響はよくわかりませんでした。
iPad 3Gモデル
次に目的である「iPad」についてですが、まずハードウェア的に見てみるとiPad 3Gモデルに搭載されているチップはiPhone 3GSと同じ「Infineon U6952」であることがわかります。つまり、ハードウェア的にはiPad 3GはUMTS800(docomoの800MHz帯)に対応していると言うことになります。
また、MicroSIMについてはAT&Tと刻印されたものが販売時に同梱されており、またiPad上からアクティベーションすることによってすぐにAT&Tのデータプランが利用可能となっています。さらに、このMicroSIMを取り出した上でT-Mobile社のMicroSIMを挿し込む(Youtube)ことにより、AT&T以外の電波を利用可能であるようです。しかし、これがJBによるものかどうかについては確認出来ていません。
※別のエントリー「米国でiPad Wi-Fi + 3G発売」で見たように、Appleのサポートページなどを見る限り、通常手順でAT&T以外のキャリアが出てくる場面がなく、どのようにしてT-Mobileを認識させ利用可能にしたのかについてはわかりません。
※T-Mobile利用時は3Gではなく2G(EDGE)のようです。T-Mobileの3GはAWSであり、ハードウェア的に未対応とのことです。
アメリカ販売モデルではAT&Tの3Gデータプラン以外の利用可否が判断出来ませんが、日本国内販売モデルについては同梱のMicroSIMを差し替えることにより別のキャリアが利用可能である可能性があります。その場合には、デフォルト同梱のMicroSIM提供キャリア(アメリカでのAT&Tに相当)とは何ら契約は必要ないということになります。
結局、iPadのSIMに関する問題はまだ解決されておらず、
- iPad 3GがUMTS800の技適を受けるのか [法的要素]
- 東名阪バンド(1.7GHz)についても技適を受けるのか否か [法的要素]
- 米国モデルがSIMロックフリーであるのか否か(=ロック解除など利用可能な状態にするためにJBが不要なのか)の確認 [サポートなど運用問題]
- 日本発売モデルが米国モデルと同様のSIMロックフリー端末であるのかどうか [サポートなど運用問題]
などいくつかの疑問点や不明点が残っていることに留意する必要があるかと思います。

基本的にアメリカではキャリアを自由に変えることができる
ようになっています。以前はできませんでしたが、FCCが
強力にキャリアを説得した結果です。もちろん電波方式が
同じキャリアである必要がありますが。
at&TとT-MobileそしてVerizonとSprintが交換可能です。
それぞれストアに持ち込めば変更してくれます。
もちろん電話番号は変わりません。SIMロックは
この時点で変更されます。もちろんSIMロックフリー
の機種を買って自分でSIMをいれれば、設定はすべて
その携帯からできますから、ストアに持ち込む必要は
ありません。
スマートフォンでは昔から良く行われていますから
iPadでそれができないということはないでしょうが、
at&tの料金は破格の安さですからそれをわざわざ高い
T-mobileにする人はあまりいないのではないでしょうか。
私のiPadはWiFiバージョンなのでSIMロックフリーかどうか
確かめようもありませんが。
Man o’War様、
これだけ巷をかき回す発言をされたdocomo社長には敬意を表します。(もし契約を進めるためのアピールのつもりで発言したとすれば、はなはだ認識不足といわれるでしょうけど。)
一方で、SBMは見事に沈黙を守っています。
これまでのAppleのやり方を見ると、
- 契約完了(またはそれに近い)キャリアは完全に沈黙。
- あれこれ発言するキャリアは契約のテーブルすら着いていない。(或いは、すでに断られたか?)
が妥当な推測だと思います。(iPad発表直前にリークしたしまったMcGraw-Hillが好例。リークのせいで外されたというよりも、元々契約できてなかったと推測致します。)
このため、日本ではSBMで確定、少しでも発言しているdocomo/日本通信は(少なくとも当分の間は)SIM販売はなし、(auは発言したくても方式違うので枠外)といったところでしょうか?
1700MHzに関しては、ハード的に無理があると思います。
となると、西日本において、2100MHzのアンテナが無い場合、800MHzの電波のみが頼りとなるでしょう。
したがって、仮に850MHzのハードが、ソフト的に800MHzへ対応している、として、docomoがそれを保障しなければ、西日本では売ってはいけないと思われます。
可能性があるとすれば、やはりポケットWi-Fiのdocomo版を出して、それはmicroSIMも挿さるハイブリッド型。
東日本の人は3G版に挿し換えて利用可能だが、それ以外の人は、ポケットWi-Fiで一旦Wi-Fi化して利用する、という案内をするのが妥当ではないでしょうか。
そうすれば、1700MHzも一旦ポケットWi-Fiで受信できるわけですから。