例の件の続報です。
ITmediaによれば、
Google Voiceに関しては、6月2日にApp Storeに登録した同アプリの承認状況について7月5~28日に両社で討議したが、Google VoiceがiPhoneの自動ダイヤル機能と重複するという理由で、7月7日にAppleが電話で却下の通達を行ったという。
これらの件に関する両社のコミュニケーションは、Googleの技術研究上級副社長アラン・ユースタス氏とAppleのワールドワイドマーケティング担当上級副社長フィル・シラー氏との間で行われた。なお、GoogleはAT&Tとはこの件に関するコミュニケーションを行わなかったとしている。
ということです。
これは問題ですね。副社長であるフィリップ・シラーの名前があがっていますが、決定の通知は7月7日となっており、ジョブズの復帰以降であることも明白です。これほど重大な意思決定ですからジョブズが関与していることは間違いないでしょう。
このGoogleの回答文書が真実であれば、各所で指摘があったとおりAppleはFCCに対して虚偽の報告を行ったことになります。
※AppleのFCCへの回答については「fladdict » Appleによる連邦通信委員会への回答 を翻訳してみた」が詳しい。
Google社としては、長期的な戦略製品であるGoogleVoiceを今後各社のスマートフォンで通しやすくするために、相当高度な政治的判断がなされている可能性があると考えています。それを考えると、GoogleCEOシュミット氏がApple社の取締役を辞任した時期(8月4日)も非常に深い意味があるのではないかと勘ぐってしまいます。
このシュミット氏辞任時のジョブズのコメントには「Google社がAppleのコアビジネス分野へと参入してきたために潜在的な利害の競合を避ける意味から取締役における同氏の役割を縮小せざるを得なくなり」辞任してもらったとなっていました。この”潜在的な利害の競合を避けざるを得なかったコアビジネス分野”とは何を指していたのかが今後の焦点となると考えます。
これはApple社による説明が待たれるところでしょう。
しかし、これをもってAppleだけを責める論調が見られるのが少し気がかりです。もしこのFCCによる調査の結果、AppleがGoogleVoiceアプリを承認せざるを得ない状況になった場合、GoogleがGoogleVoiceをリリースしたスマートフォンはすべからくキャリアからは積極的に販売を推進できない存在となるからです。
以前書いたように、このGoogleVoiceはスマートフォンメーカーであるAppleよりもキャリアであるAT&Tに打撃が大きく、その影響は計り知れません。また書くまでもなく、その影響はエンドユーザーたる我々にダイレクトに影響してきます。
※誤解の無いように念を押しておきますが、Appleに打撃がないといっているのではなく、AT&Tにおいてその程度がより大きいといっているのです。それは言い方は悪いですが、”土管”を提供しているのか”道具”を提供しているかの違いです。
極論すれば、Appleは現在のiPhoneのユーザー・エクスペリエンスの根幹を成すSpringBoardを改変し、サードパーティ提供アプリの視覚的・心理的比重を下げることすら可能です。当然デベロッパーにiPhoneを敬遠させる要因になり、それは同時にiPhone衰退の始まりとなりますが、7万5千本を超えるアプリを抱えた現時点では、その可能性はゼロだとは言い切れません。
また、Apple社が承認しない理由である「携帯電話としてのiPhoneの中核機能を置き換え、それによりiPhone独自のユーザー・エクスペリエンスを変化させる」という主張に一部該当するアプリがすでに承認されていることも、iPhoneユーザーであればご存知だと思います。
さらに追記しておけば、AppleはこのGoogleVoiceの非承認(”審査中”であり”リジェクト”したとは言っていない)を含むAppStoreへのアプリの審査過程の意思決定にはAT&Tが関与していないと明言しています。
この件をもって安易にAppleのアプリ審査の閉鎖性(私はそうではないと考えていますが)を指摘する向きがあれば(実際結構あるようですが)、それは同時に、今後のスマートフォンのあり方を問うてみることになるのではないかと思います。
参考)
Apple Says It Again: We Did Not Reject Google Voice iPhone App (AAPL, GOOG)
AppleInsider | Apple fires back at Google over Voice app rejection claim
AppleInsider | Google says Voice was “rejected” from iPhone App Store
Google Claims That Apple Did Reject Google Voice iPhone Application [Updated] - Mac Rumors

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