iPhoneでもAPIが解禁される見込みであるなど、にわかに騒がしくなってきたスマートフォン周りのAR(Augmented Reality:拡張現実感)の情報をまとめてみます。
傾向・トレンド
最近の盛り上がりの傾向は、GoogleTrendやSBMでも現れています。


Google Trendでは2009年より、deliciousでは2008年10月頃を境に急激なカーブを描いています。
また、日本でも日経が2009年2月末にARビジネスを取り扱うカンファレンスを開催するなど、ビジネス面においても注目されつつある様子が伺えます。
ブログでは、下記2つが比較的活動的なようです。
OpenAR 最近開始されたブログで、最新動向がかなり集まっています。
Augmented Expo エンターテイメント系の情報が集積しています。
スマートフォン市場でのAR
スマートフォンでは現在地測定にGPSを利用できることから、今年の2月にAndroid向け実用アプリが登場するなど、かなり積極的な製品リリースが見込まれています。
iPhoneにおいても、今年発売されたiPhone 3GSで電子コンパスが搭載されたことにより、現在地測定に加え方角をも取り込むことができるようになりそれを利用するアプリの発表が相次ぎました。しかし、現状ではキーとなるAPIが禁止されており、それが解禁されると見られる9月頃にはそれらのアプリのリリースが予想されます。
ここでデモを含め実動しているアプリをまとめてみましょう。
Androidアプリ。開発はオーストリアのMobilizy社で、オランダの銀行ING向けのATM案内アプリです。
iPhoneアプリ。開発はacrossair社。ロンドンおよびNYの地下鉄駅を案内するアプリです。
michael zoellner氏による、位置情報付きのつぶやきを現在の周囲の映像に合わせて眺めることができるアプリ。
Augmented Vision
Metaio社によるデモ。iPhone向けとしてテキストではなく3Dのバーチャルアバターが登場する。
またこれらはGPSの測定情報を使うため位置情報とのマッチングが比較的ゆるくなってしまうのですが、これを画像解析を用いることでクリアしている開発者もいます。
金村さんによる個人開発で、シーン認識エンジン(SREngine:Scene Recognition Engine)を独自開発した上で、その上にARを構築しようとされています。
こういったアプリはすでにデモ稼動しているものもあり、iPhone向けではAPIが開放されればリリースも順調に見込める状態になると思われます。
ライブラリ
AR技術はすでに基本的な技術研究がある程度蓄積しており、すでにライブラリも整備されつつあります。そういったものの中から代表的なものを見てみましょう。
かなり以前に紹介したものですが、その後親展があまり見られないようです。
古くから公開されているもので、これを元にFlashなど各言語版がポーティングされています。
プラットフォーマー
AR技術を利用するアプリを発表するだけでなく、AR技術をコアとしたプラットフォームを提供し、その上でなんらかのサービスを行う動きも出てきています。
Layar
SPRXMobile社がAndroid携帯で動くARブラウザ「Layar」を発表しており、APIを公開することで賛同企業を募っています。2009年8月時点で、上で出てきたオランダの銀行INGを含む8社が参加しています。
頓知・
AR Commonsを組織することで同様のプラットフォーム化を狙っているようですが、実動するものが一般公開されていないなど、少し動きが見えづらいですね。
ゲームなどで使われるAR
実用的なアプリばかりでなく、ゲームにおいてもARは利用されようとしています。ここからはスマートフォンに限らず、またコンセプト映像も交えて見ていきましょう。
ARhrrrr - An augmented reality shooter
米ジョージア工科大学で研究が進められているもので、3Dシューティングゲームへの応用を模索しています。
Art of Defense: A collaborative Augmented Reality Game (SIGGRAPH 2009)
こちらはボードゲームのようなデモです。
なお、これ以外にバーチャルペットを飼うデモゲームなども開発されています。
ジェームズ・キャメロン監督が12年ぶりにメガホンをとる「Avatar」に登場するARメカを模したデモのようです。この映画は12月に公開されるのですが、3D映画として斬新な取り組みが行われているということで注目されるものです。※日本では12月18日公開予定のようです。
コンセプト映像など
引き続き、コンセプト映像などを見ていきましょう。
Augmented book project
読んでいる本のダイジェストなどが机上に表示されています。
ARtisan(3DMouse)
OneZeroThrice社がFLARToolkitおよびPapervision3D上に構築したARtisanというライブラリがあり、それを利用した3Dマウスのデモ映像です。ARtisanはソース公開されています。
Augmented Reality Video-in-Video Effects
Total Immersion社が取り組むAR技術のデモ映像です。同社のYoutubeチャンネルにはこのほかにも興味深いビデオが公開されています。
マーカーレスAR技術であるParallel Tracking and Mapping for Small AR Workspaces (PTAM)を発表したオックスフォード大のActive Vision GroupもYoutubeにチャンネルを持っています。ここでは以前も紹介したiPhone向けのデモ映像を見てみましょう。
以上、ざっとみてきましたが、いかがでしたでしょうか。
これ以外にもYoutubeには多数のAR技術デモ映像が溢れています。
また、現在はまだ単機能の実用アプリが先行している状態ですが、上でも見たようにゲームジャンルへの応用など、様々な展開が考えられます。
さらに、AR技術応用の積み重ねにより、非常に近い未来においてわれわれの想像を超えるインターフェースを持つアプリケーションが登場し、生活に大きな変化をもたらす可能性を秘めていると考えます。



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