孫社長、発売時囲み取材でiPhone交渉経緯を語る

iphone3gs-launch-event

昨日のiPhone 3GS発売時の囲み取材において、孫社長がiPhone発売のはるか以前に、ジョブズに対して「電話機能つきiPod」の話をしにいったころの経緯を話していました。

取材の2分30秒頃からの質問に答える形で、モバイルへの移行、ボーダフォン買収やジョブズに話をしにいった話などをしています。

http://www.youtube.com/watch?v=vepD6Jo_guI#t=2m40s

※iPhoneでは時間指定できないため、下記埋め込みオブジェクトからどうぞ。PC/Macの場合は、上記開始時間指定リンクからどうぞ。

それによれば、5年ほど前から、今後インターネットがPC中心の時代からモバイル中心の時代に移っていくだろうと強く考えたこと、それもあってボーダフォンジャパン買収を含め、自らケータイ開発を行う会社を考えたこと、その頃ジョブズに会いに行き、携帯業界に参入することと、そのときにはiPodと携帯を融合したようなものをぜひ(ソフトバンクに)提供して欲しいと伝えたことを語っています。

するとジョブズが、そうか、オマエもそうきたか。実は俺もそう考えていると言ったといい、そのときから交渉は開始していたことを示唆しています。

何度か目にした逸話ですが、孫社長が語るのを自分の目でみて聞いたのはこれがはじめてでした。

私自身、(孫氏のチャレンジングな姿勢を除いては、)ソフトバンクにはこれまであまりいい印象がなく、正直申し上げて携帯キャリアとしては契約を考えたことすらなかったのですが(今回もSBSであまり良い思いはしませんでした)、しかしiPhoneに関しては孫社長の本気度が見えてきます。

アメリカのiPhone独占販売キャリアAT&Tでは、いまだにMMSをサポートしていない状況(2009年晩夏予定)にも関わらず、ソフトバンクは3.0リリース前後に夜間工事を繰り返して3.0リリースと同時にMMSサポート。しかも、3GSや3.0開発に対して自社人員を投入していたことも明らかにされています。

予約できるよ!:「混乱の少ない方向でiPhone 3G Sを提供したい」――ソフトバンクモバイル宮内氏 (1/2) - ITmedia +D モバイル

宮内氏 iPhone 3G Sの詳細についても、私自身は今日(基調講演当日)初めて知ったところなので。iPhone 3G Sの開発に関してはソフトバンクのエンジニアも何人か関わっているのですが、我々役員にもその内容を教えることができない、かなり厳しい秘密保持契約が結ばれています。今日、この後に詳細なことを詰めてプレスリリースにて案内を送る予定です。

ちなみにこのWWDC現地でのインタビュー時点ですでに6月8日(日本時間9日未明)です。この後6月26日午前7時のiPhone 3GS発売までは、土日を入れてもわずかに18日間しかなく、発売日当日に白戸家一家を動員するための交渉をはじめとして、その間にソフトバンクが行った準備としては人的リソースを中心とする相当量のボリュームが投下されたことが想像できます。

また、株主総会や新製品発表会など、iPhone関係の発表がない場面でもiPhoneをうれしそうに取り出して言及する姿をみれば、肩入れの理由もわかるというものです。今回の発表イベントにも前日深夜から顔を出し、発売に際してもこうして自らの言葉でしっかりと考えを述べていることでもわかるというものでしょう。

※一部で聞かれる様に、昨年のiPhone 3G発売に際してdocomo社内でもiPhone販売の検討が進められていたということですが、恐らくは販売モデルなどにおいて上層部の同意が得られなかったことは想像に難くありません。ひるがえって考えれば、ソフトバンクにおいてはiPhoneのような端末に関する肩入れはトップの同意(もしくは強い意志)の下に行われるであろうことを思わずにはおれません。

もちろん、iPhoneユーザーのARPUが高いことや、ホワイトプランやパケット定額プラン加入、2年縛りのキャンペーン適用など、キャリアとしては儲かる端末であることは確かです。

しかし、実際にiPhoneを使ってみるとわかるように、これほど、利用者も、キャリアも、ベンダーであるAppleも、そこに参加するデベロッパーも、それぞれの立場で利益が享受できる端末もまた珍しいのではないかと思います。

なぜならこのモデルは、四半期単位などの短期的な視野において開発されているものではないことや、また種々の細かな積み重ねの上にはじめて成り立っているものであることなどが誰の目にも明らかであるからです。これがベストではないにしろ、現時点での制約を考慮すればかなり最適解に近いものであることが利用してみればわかります。

※iPhone購入前には、他キャリアのフルブラウザ携帯のパケット単価と比べて高いという印象を持っていた方も多いのではないかと思います。しかし実際にiPhoneを使い込むにしたがって、むしろこのパケット定額料金は安いのではないかとも思えてくるのです。それはブラウザであるSafariだけではなく、各種アプリがインターネットを効果的に利用できるように準備されたSDKや、3GやWi-Fiの切り替えを意識することなくネットに繋がることのメリットを享受できるという基本設計にあると考えます。

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そのiPhoneに対して、日本においては現時点でソフトバンク以外ではこの価格帯での定額プランを提示できないことは、Blackberry端末やAndroid端末の扱いを見れば明らかであり、それを考えれば、むしろ他キャリアでの提供がなかったことを、いちiPhoneユーザーとしては喜びたいくらいです。

しかもそれがこの頃から話し合いの経緯があって実現したということや、根底にモバイルインターネット推進の想いがあることを考えるとき、今後もそれがぶれないであろうことを期待するに充分であることを示しているのではないかと考えるのです。


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2 responses to “孫社長、発売時囲み取材でiPhone交渉経緯を語る”

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