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Apple < Jail Breakは違法行為

Apple社が、今まで黙認してきたかに見えるJail Break(いわゆる”脱獄”)について、明確に違法行為である旨の文書を出しています。これは議論を呼びそうです。

 

DMCA(米国デジタルミレニアム著作権法)の3年ごとの免除規定見直しの際にApple社から米著作権局に提出された文書に、iPhoneのJail Breakについて違法行為である旨のコメントが述べられているということです。

Apple Says iPhone Jailbreaking is Illegal | Electronic Frontier Foundation

Jailbreaking an iPhone constitutes copyright infringement and a DMCA violation, says Apple in comments filed with the Copyright Office as part of the 2009 DMCA triennial rulemaking. This marks the first formal public statement by Apple about its legal stance on iPhone jailbreaking.

それによれば、Apple社はiPhoneのJail Breakをした場合、著作権侵害とDMCA法違反を構成しうると主張しているということです。

※このDMCAの適用免除規定見直しについては、2009年2月の締め切りまで免除要求に関するパブリックコメントを受付けた後、公聴会などを経た上で、最終的な改訂指令が2009年10月に発効される予定ということです。

 

今までJail Breakについては、iPhone SDKでは禁止されている様々な技術が利用されたアプリが公開されており、それについてApple社から何らのコメントがなかったことから、ガス抜きの意味合いもこめて黙認しているのではないか?という見方が大勢を占めていました。

しかし、今回のDMCAに提出されたコメントによればそうではなく、Apple社としてはJail Breakは明確に著作権侵害であり、DMCA法違反に問えると主張しているということが判明したのです。

もちろん通常の製品として捉えれば、リバースエンジニアリングを実施し、不具合を付くことにより製品の想定外の動作をさせる行為は著作権(知的財産権)侵害であると主張されたとしてもなんらおかしくはありません。

ましてや、その製品が世界でも競争の激しい分野の1つであるスマートフォン分野の主力製品ともなれば、話はさらに複雑になるでしょう。

※いますぐJBという行為をした場合に罰せられるということではありません。Apple社としては違法であると考えているということを公表した段階です。

 

 

しかし、かつて”2人のスティーブ”(スティーブ・ジョブズと、スティーブ・ウォズニアック)が、「Apple」と名づけたコンピュータキットをホームブリュワーズのパーティで公開したという、いまや伝説的なApple社設立の経緯を知っている人から見れば、この行動はかなり違和感を覚えるものでもあるようです。

※ホームブリューとは自家醸造のことを意味し、ホームブリュワーズとは70年代のアメリカにおいてハンドメイドでコンピュータを作ることを愛好する人たちを指しました。当時コンピューターは一部の企業のみが利用できる非常に高価な設備機械であり、愛好家たちは当時出回り始めたマイクロコンピュータチップを解析し遊んでいたのです。

Apple社の記念すべき最初の製品Apple Iは、当時メロンパークのガレージで開催されていたホームブリューコンピュータクラブで初めてお披露目されたのです。

また、もう1人のスティーブであるウォズニアックは自他共に認めるハッカーであり、いまだにそのハッカー精神は衰えるところを知らないようです。

 

 

ただし現在、AppStoreのDRM(デジタル著作権管理システム)を破り、AppStoreを経由して購入することなく不正にアプリを入手し、また再頒布(コピー)する行為が一部で横行していると聞きます。

もしこのような行為が広まれば、デベロッパーは企業、個人を問わずAppStoreから撤退を余儀なくされ、瞬く間にAppStoreは瀕死の状態に追い込まれるのだということを認識しておかなければなりません。

※即座にAppStoreでの公開アプリがゼロになることはないでしょうが、確実なコスト回収手段を持たない市場は早晩に滅びます。

そのため、AppStoreを運営・管理するApple社としては、自らの利益確保という面を含め、JBは違法であるという認識を提示せざるを得ないところでしょう。

※AppStoreというエコシステムを失ったiPhoneは、単にスペックだけで比較される従来製品と同じレベルに墜ちてしまい、そうなれば製品寿命は半年も持たなくなるでしょう。となれば、Apple社もハードウェアだけでコスト回収する従来のビジネスモデルに戻らざるを得なくなります。

Jail BreakイコールDRMを破ることではありませんが、少なくともその穴が塞がれておれば、アプリ配布をAppleが審査という手段で握っている以上、DRMを破る行為も行えなくなることは確かです。

私は、上記の理由から、Jail Breakはようやく進んだ時計の針を戻す行為であると考えています。


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