AppStore 1万5千アプリで5億ダウンロード達成の意味

すごい数字ですね。最近の伸びを見るとさらに驚くべき数字となっています。

1億突破は9月9日時点2億突破は10月22日時点、12月5日に3億ダウンロードを突破しており、そこからの伸びが尋常ではないペースになっていることがわかります。

iphone-3g-with-facebook-bofa-urbanspoon-shazam-bloomberg-asphalt4-mobile-news-ebay-remote-ypmobile-flighttrack-yelp-rsoccer09-aim-pandora-salesforce-and-more

 

これは先ごろお伝えした「iPod touchが売れている?」件と関係があると見て間違いないと思われます。iPod touchはゲームプラットフォームであるとした一連のプロモーションが大当たりしていると言うことでしょう。

また、アプリリリース本数が1万本を突破(tap-tap-tapの1万本突破イメージファイルがすごい件)したのが12月2日で、そこからわずか1ヶ月で5千本増加していると言うことで、年末年始に多かった土日祝日を無視して単純に数字をならすと1日当たり140本前後リリースされていたという事になります。

 

 

アタリショック?

例によってアタリショック云々で批判する向きも現れるでしょうから念のために言っておけば、1983年当時のゲーム界の諸状況と現在とは決定的に異なるモノがあります。

 

それは今さら私が述べるまでもなく、(ゲームメディアなど流通手段を持たない)一般ユーザーによるレビューが、つまりブログやAppStoreでのレビューなど多種多様な手段により情報発信が出来、さらにそれを細かく拾い上げる検索エンジンによりほぼリアルタイムに情報を取得することができるようになっている点です。

情報発信とまで行かなくとも、2ちゃんねるやミクシィをはじめとした各種コミュニティでのコミュニケーションにより、「あのゲームはダメ」とか「あれはオススメ!」という評価を、いとも簡単に、短時間かつ低コストで知ることが出来るようになっているのです。1ヶ月に1度の雑誌発売を待ち焦がれる必要はないのです。媒体とベンダーの癒着を恐れる必要もないのです。

これにより、ユーザーは高い確率で「ハズレアプリ」をつかむ確率が減り、よしんばつかんだ場合でも上記レビューなどの手段や、コミュニティで情報発信を行うことが可能なのです。

ゲームロフト社による手前レビューがあれほど早い段階で発覚したのも、現在のネット社会ならではのことであることがお分かりいただけるでしょう。すでに一社で言論をコントロールすることなど不可能な状態になっており、しかも1ユーザーの立場であってもきちんと情報発信が行えるのだということが重要な違いです。

※他にも在庫概念がない点や、(パッケージ流通時代に比して)流通コストがほぼゼロに近いという点、そもそもの参入コストが個人でも決断できるほど格安であるという点など、数多くの点が異なります。

 

 

世に問う意味

もちろん、これは個々デベロッパーにとっては厳しい状況であることは言うまでもありません。

しかしそれでも、世界中に対して非常に低コストで自らの開発したものを発信できると言う計り知れないメリットを忘れてはいけないでしょう。

まさに1983年当時、世界規模でゲームを流通できる規模のデベロッパーとなると世界で数社もなかったのです。各国ごとに現地ベンダーと提携を結び、AppStoreとは到底比較にならない高率の各種マージンを取られることを覚悟した上でようやく流通させることが出来たのですから。しかしそうまでしても、ゲームデベロッパー達は自らの作品を世界に広めたかったのです。

そうした中から、ウルティマやウィザードリィ、さらにはバランス・オブ・パワーやシムシティ、ポピュラスなどいまだに語り継がれる数多くの名作が世界中で評価され、賞賛されたのではないでしょうか。それらの作品が当初個人開発に近い形であったこともまた、よく知られています。

※もちろん、当時と現在ではゲーム表現手法1つ取っても隔世の感があります。しかし任天堂がDSやWiiで、そうした流行のゲーム表現手法に慣れたゲームユーザー達から当初バカにされながらも、確実に評価を伸ばしていることを思えば、それを理由に参入しないというのは少々残念な気がします。

またバランス・オブ・パワーのChris Crawford氏が書いたThe Art of Computer Game Design (1982年、邦訳を公開されているScoops RPGに感謝します)は、今読んでも通用する名文であると思います。ゲームとは何か、人はなぜゲームをするのか。それを突き詰めれば、逆になぜゲームデザイナーはなぜゲームをデザインするのか?ということにもつながります。

 

 

乗り越えなければならない”壁”

もちろん、それには世界共通語である英語で、世界で受け入れられる共通のセンスで、可能な限り多くの人々に認識可能な形で、説明し発信すると言う”壁”はあるでしょう。

それを乗り越え、そこに飛び込んでいけるかどうかは現時点では各個人の努力・能力に委ねられてはいますが、そこを過剰保護することはまったく意味がないばかりか、多大な努力を払ってようやく進めた時計の針を逆方向に動かすことにほかならないと考えています。

※来週就任式を迎える大統領のように、アメリカは努力するあらゆる者に対して、門戸を常に大きく解放しています。実際、海外のiPhoneサイトを見ている中で、いくつか日本人デベロッパーによるアプリが取り上げられているのを目にしました。

また、「その”壁”があるから」または「国内市場だけではペイしないから」という理由で撤退するようであれば、今後続々と登場するスマートフォンのアプリケーション市場でもまったく同じ結論を出さざるをえないでしょうし、その後に訪れるであろう巨大資本による市場再編や統合には到底耐え切れないでしょう。

 

 

iPhone/AppStoreの価値

もちろん法人であればまず事業計画承認があり、また利益確保についてもしかるべき成果と株主への説明(決算報告と承認決議)が求められます。

しかし個人デベロッパーであれば、自らの作ったものを世に問うという作業は、まずその目的があってしかるべきで、それがペイするかどうかはその後についてくるものであるべきではないのでしょうか。

ただひとつ確実にいえることは、ケータイアプリだから安全、この後も変わらず売れ続けるという保証など、docomoやauを含め、誰もしてくれないということです。

 

iPhoneは、そのスマートさ(Jobsに言わせれば「Prety cool,uh?」)により、既存のスマートフォン嗜好ではない一般ユーザーを世界規模で集めた貴重なプラットフォームであり、またAppStoreはその”壁”に挑戦する機会を幅広く開放している市場であることも確かなのです。

今後同様の「仕組み」を持つ”市場”は多数オープンしますが、「一般ユーザー」をこれほどの統一感と規模で、かつこれほどのスピードで達成できるのかどうかは誰にもわかりません。

それは早ければ1月中旬にオープンするとされていたAndroid Marketに並ぶ有料アプリのラインナップと売れ行きにより早晩に判明することでしょう。しかし、中心となるべき組織(OHA)が一般人には見えづらく、なおかつ採用する各国キャリアがAndroid採用のメリットを「低コストで調達できること」を第一に挙げている点を見ると、それも相当危うく感じています。


スポンサード リンク

3 responses to “AppStore 1万5千アプリで5億ダウンロード達成の意味”

  1. すごいですね。

  2. 毎回楽しく読ませてもらってます。確かにiPhone(というかAppStore)は世界レベルでの共通プラットフォームだと思います。が、DoCoMoやauなどの携帯アプリなどの日本レベルでのガラパゴス市場がこれからも売れ続けるのに変わりはないように思えます。特に今の現状を見る限りでは、ある程度下がったとしても、アプリを買う人はいるでしょうから、一定レベルで推移するのではないでしょうか?最も、それだけ「日本だけ」での市場なので限度もあるでしょうが。

    世界レベルで見れば、恐らく日本のキャリア別プラットフォームなんていうものは誰も見向きはしないでしょうね。

    Androidも不安なのは、どこまでメーカーが手を加えるかだと思います。iモードやEZWebを入れられない(詳しくは知りませんが)とは断言出来ないですし、携帯アプリも下手をすれば入る可能性もあります(Androidと携帯アプリの両立なんてまず無理だと思うんですが)。
    DoCoMoのiPhoneへの対応などを見る限り、あそこならやりかねないと思うんですよね。
    最も、両方搭載すれば自分の首を絞めかねないと思うので、やらないとは思うんですけど。
    憶測の域を出ないですけど、どうにも日本市場で登場するAndroid端末には不安を隠せないです。とりあえず登場してみないと何とも言えませんけど、見極めたいところかと。

最近のコメント

製品レビュー

製品レビュー:PHILIPS インイヤーヘッドフォン SHE9755/10 PHILIPS インイヤーヘッドフォン SHE9755/10
製品レビュー:A2DPハイファイ・ヘッドセットSBT03R Bluetoothハイファイ・ヘッドセットSBT03R
あわせて読みたいブログパーツ

カテゴリー

過去記事

iPod管理ソフト

iTunes代替ソフト CopyTrans Manager

Amazon