いよいよというかようやくというか、「Google Earth for iPhone」が登場しています。
iPhone版は、iPhoneを傾けることで表示角度の調整を行えたり、GPS測地情報を元に現在地表示を行います。
ただ、現時点のバージョン1.0はいかんせん重いのが難点です。このあたりはiPhone用3D地球儀アプリ「Earthscape」でもかなり重かったので致し方ないのでしょうか。今後のバージョンアップに期待したいところですね。
AppStoreで無料となっていますので、一度ご確認ください。
以前のエントリーでも書いてますが、今回の「Google Earth for iPhone」や「ストリートビューがiPhoneに乗る」ということを見ただけでも、AppleとGoogleが敵対関係ではないということがわかるでしょう。
当然ながら、マップアプリのようにAppleとGoogleとの契約が存在することもあるでしょうが、そもそもマスコミのいうようなライバル関係であるならば提供はしないはずです。マップといい、(実用性はともかく)ストリートビューといい、今回のGoogle Earthといい、それだけでキラーコンテンツになりかねないものばかりですから。それ以前に、もしiPhoneでGoogle検索エンジンが使えなかったり、Googleの広告ネットワークが対応していなかった場合にどうなっていたことか、想像もできません。それこそIntelのいう「インターネットマシンではない」ということになりかねなかったでしょう。
Googleの立場で考えると当たり前なんですが、「今後のWebパワーバランス」で見たように、GoogleはAppleとは違い(端末を販売して通信料でレベニューを得るという意味において)ケータイビジネスで儲ける気がないのです。
ただしAppleも、iPhone3Gにおいてはユニット販売あたりのレベニューは相当低いはずです。台数に限りがある端末販売よりも無限の販売機会を生み出すAppStoreでのフィーに関心があるのです。
Googleとしては、むしろ携帯業界がさっさと規格統一や広告を載せやすいプラットフォーム作りをしていたならば、2007年11月に自ら「Android」を立ち上げる必要すらなかったのでしょう。
※2007年10月に日本でモバイルAdSenseが開始されたとき、3キャリアのうちdocomoだけ遅れていたのは記憶に新しいでしょう。原因は、docomoが公式サイト以外での固体識別番号取得を渋ったから(識別できないとAdSenseのPPC広告が実施できない)で、その後、2008年3月に慌てて「iモードID」なる識別番号を送信開始したのはAdSenseの影響が大きいと見て間違いないでしょう。
もちろん2008年1月のGoogleとの提携が前提として存在しますが、こんなところでも、圧倒的なPVを稼ぎ出していたケータイが、広告プラットフォームとして未整備という状況が顕れていたのです。ミクシィにおいても、携帯PVがPCのそれを上回ったのは2007年の後半(9月中間期決算を行った11月)においてでした。すべて時期が一致しています。ということは、この少し前からすでにPCから携帯(あるいはその先のスマートフォン)に移行する姿が顕在化していたということです。
※700MHz帯周波数入札参加表明も2007年11末でした(結局Googleは落札しなかったが、Cブロックでのオープンプラットフォーム実装義務条件付与をFCCから取り付けることに成功している)。
Googleのスピード経営からすると、いちいち各国キャリアに働きかけ、門戸を開放させるのに付き合っている暇がなかったのだという気がします。グローバル企業同士の提携作業にかかる契約事務・交渉手続きの煩雑さは、尋常なものではありません。それよりも無料でOSを提供することで新しいプラットフォームを切り開いた方が話が早いと感じたのではないでしょうか。なぜなら、Googleがやりたいのはあくまで広告ビジネスであって、キャリア依存の問題など興味の対象ではないからです。そのGoogleが、わざわざキャリアの門戸開放のために提携材料を提示・交渉するコストが無駄に見えたのは、まったくもって同情できることです。
何度もいいますが、iPhoneとAndroid端末がライバルだと思っているのは、iPhoneを発売できなかったキャリア(とそこを広告主とするマスコミ各位)だけです。Googleとしては、Appleが次世代標準化作業(とiPhoneやMacへの展開)に前向きである限り、同じベクトルであると判断するはずですし、今現在もそれは続いていると、今回のニュースでも確信できます。
ただ、プラットフォームのあり方が違うというよりも、Appleは垂直統合モデルを破綻させないためにもクローズドなモデルが必要であり、逆にGoogleはある程度オープンなプラットフォームのほうが(広告搭載プラットフォームとして)コントロールしやすいということなのでしょうし、細々としたところまでクチを挟む事によりキャリアとの揉め事に関わることを避けたのではないでしょうか。それも「広告プラットフォーム整備」という彼らの目的からすれば理解できます。もちろん、電話機である以上キルスイッチが同様に装備されたりするのは、致し方ないことだと思います。



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